技術研究組合を解散清算する際の残余財産についての素朴な疑問にお答えします。

Q1 技術研究組合を解散清算する際の残余財産は誰に?

A1
組合員の協議により、貢献度等を総合勘案の上、合議で決めることが出来ます。またその旨を定款に定めておく必要があります。

Q2
残余財産の分配は、配当所得になりますか?源泉徴収が必要ですか?

A2
法人が事業活動から得た利益(所得)に対して法人税課税を受け残った利益剰余金を解散清算する際、残余財産の分配を行うと、出資額を超える部分について、通常配当とみなされます。源泉徴収も必要です。

しかし、技術研究組合では出資者はいません。出資金(資本金)はゼロです。技術研究組合の組合員は、出資者ではないため出資に対する配当を受ける立場にはありません。

そのため、残余財産(出資金がゼロのため全てが利益剰余金となります)の分配は、配当ではないと考えられます。

技術研究組合法でも、残余財産の分配ではなく、残余財産の処分という表現を使用しています。

それでは、技術研究組合の組合員が合議で分配された利益剰余金はどのように税務上考えたらよいのでしょうか?

■組合員側
受贈益(益金算入)

■技術研究組合
寄付金
※残余財産確定後の寄付として、税務申告は行われません。
 ほぼ全額が損金不算入となりますが、事業活動は終了していますの
 で、課税上の問題も生じないこととなります。
※配当ではないため、源泉徴収は不要となります。

先日、税務署からの照会に上述の内容を説明して、配当としての源泉徴収義務は無いという判断を頂きました。

ただ、あまり整備されている領域はありませんので、違う判断がなされる可能性も否定できません。ご判断の際は、必ず専門家にご相談下さい。