LLP(大手企業と個人)

LLP運営編
個人構成員は保証と成功報酬を確保

大手企業が持つビジネス力と個人の能力をもって共同事業を行うために、LLPを使うケースはかなり多くなると思います。 企業と個人が対等な立場でビジネスができると言うことは、とてもすばらしいと思いますし、個人にとってやりがいがあることだと思います。 LLPの基本コンセプトは共同事業を行い、獲得した利益を合理的な比率で分配することにあります。LLPの法人構成員であれば、 これで何も問題もないかもしれませんが、個人の場合は日々の生活費を考えなければならないため、毎年利益分配まで収入を絶たれてしまうと、 死活問題となりかねません。せっかくLLPの個人構成員としてビジネスに参画しようとしても思い留まらざるを得ないケースも考えられます。

共同事業であったとしても、事業体力の違いは明らかですので、給与をパートナーの法人構成員に保証してもらうのが良いと思います。 贅沢はしないまでも最低限の収入を確保することについて、企業も普通NOとは言わないと思います。

しかし、 LLP構成員に対する給与というものが税務上認められるか、認められないか非常に難しいため、 煩わしい税務リスクを回避するためには、企業から給与(報酬)を支給してもらうカタチが無難と言えます。 個人的にはLLP構成員も他の従業員と同水準で支給される給与は認められるべき(過去の最高裁判例[任意組合]でも認められています。) と考えていますが、現時点では自信を持ってLLPから給与支給を行うことはお薦めできません。

そして、 個人構成員は最低限の収入確保した上で、共同事業にて利益を獲得したときの成功報酬(利益分配)について、 パートナーの法人構成員と交渉しましょう。

以上、「LLPに関する40の質問と40の答え」(経済産業省 産業組織課)より抜粋