こんばんは、本日は今まで書きたくても中々書けなかった難しい問題に触れたいと思います。
今後政省令の整備によりある程度取扱い方法が明確化されることを期待しますが、税金の問題なのでとても微妙~なのです。
日本版LLP(有限責任事業組合)と個人構成員給与(その1)
【1】問題提起
LLPの構成員として考えられるのは、法人及び個人です。個人も法人構成員からの出向や転籍により、直接的な構成員(組合員)
でなければ、問題もないのですが、個人構成員の場合にその人に対して毎月支払う給与って、何なのでしょうか?
<例示>
表参道有限責任事業組合(表参道LLP)
■組合員:
1.法人組合員 原宿商事 業務執行組合員 神宮さん
2.個人組合員 青山一郎さん
表参道有限責任事業組合は、カリスマ服飾デザイナーの青山さんと、以前より取引関係のあった原宿商事の
新ブランドでのアパレルショップ共同プロジェクトです。
■出資金額:
原宿商事 9900万円
青山さん 100万円 合計1億円
■損益分配:
原宿商事 50%
青山さん 50%
■スタッフ構成:
神宮さん (法人組合員 原宿商事 業務執行組合員)
青山さん (個人組合員 業務執行組合員)
渋谷さん (表参道LLPと雇用契約)
代々木さん(表参道LLPと雇用契約) 以上4名
■主な役割分担:
神宮さん 経営財務全般
青山さん 実務全般
渋谷さん 青山さんのアシスタント
代々木さん 雑務全般
以上のような場合に、スタッフ給与はどうなるのでしょうか?
★神宮さんは、所属している原宿商事から別途給与がでているので、表参道LLPからは直接もらわないものとします。
★渋谷さんと代々木さんは、表参道LLPと雇用契約により勤めることとなりますので、各人30万円/月を支払うこととします。
(※表参道LLPは、給与支払事務所として源泉所得税の徴収義務を負い、社会保険、労働保険の適用が出てきます。)
★個人組合員のカリスマ服飾デザイナー青山さんですが、原宿商事との事前交渉で月額50万円を保証してもらっています。
そこで問題ですが、青山さんに対する50万円は、所得税法上給与所得になるのか、それともLLPの個人組合員として損益の分配(事業所得)とみなされるのでしょうか?
どっちでもいいのでは?って...良くないのです。給与所得の場合、給与所得控除の適用を受け税率面でメリットがあるのに対して、事業所得の場合、給与所得控除の適用がないだけでなく、所得金額が290万円を超えると、越えた部分に対して5%の事業税も課されることになります。
ていうか、どうみても給与でしょっ!て? どうなんでしょう。。。 (続く~!)