こんばんは、
LLPは制度がスタートして早くも4年が経過しようとしています。世の中から
無視されていることもないですが、注目もされていないのが現状だと思います。
LLPが急速に普及しない要因を考えてみることにします。
1.LLPを柔軟に活用するための税制整備がなされなかったこと
LLPは経済産業省が立ち上げた制度ですが、肝心要なのはビジネスを行う
上で、最も重要な税制を司る国税庁が、何ら前向きな協力を行わなかった
ため、税制整備はほぼゼロというのが現状です。
(※正確には、LLPを使った節税スキームが生じないように組合損益の
取り扱いには厳しく規制がかかっています。。。)
では、どのように税務上取り扱うかというと、既存の任意組合の一種と捉えて
税務上取り扱うこととなるのです。
その任意組合とは何かというと、組合員の寄り集まりのことです。良く相談
を受けた際、組合を表現するために、
「遠くから見ると、LLPという組織体に見えるが、顕微鏡で覗き込むと、
複数の組合員がお互いにしがみつきあっているようなもの」
と説明します。すなわち税務上は、LLPという人格が存在するのではなく、
組合員がしがみつきあっているに過ぎず、バラすことにより、個人組合員は
所得税、法人組合員は法人税という具合に既存の税制に当てはめて考えなけ
ればならないのです。
個人的には何でもかんでも規制して税収の減少を防ぐというのではなく、LLP
に対して優遇措置を講じて、自由な発想で様々なビジネスが誕生し、産業を
活性化し、税収UPを目論むような発想を持って欲しいなと思います。
2.パートナーシップビジネスという考え方があまり、日本のカルチャー
に根付いていないこと
今まで前例がないため、事業者側もピンとこないように感じます。ビジネスの
中には他社と共同で取り組むことで相乗効果を生むことも結構あると思います。
しかし、共同事業を行う際も、複数社が相互に協力して...となると結局
各社ともに、
-自社が損をしないように。。。
-自社だけノウハウを提供してしまっては。。。
のような非協力的なチカラが働くものです。
そこで、共同でLLPに参画し、出資金を拠出し、損益分配のルールを決める
ことで、本来期待していた相乗効果が生まれるように思うのですが、中々簡単
ではないのが、現実です。何故だろうと考えると、やはりパートナーシップ
ビジネスというカルチャーが根付いていないからだと、思います。
LLP普及の提言としては、産業界がもっとLLPを活用するように経済産業省
は、具体的に活用するためのツールを提供すると良いように思います。国税庁
には期待しないので、経済産業省だけでできるツールの提供で十分だと思います。
せっかく制度を作ったんだからもうちょっと面倒みましょ!!