こんばんは
会社経営をしている方であればご存知かと思いますが、役員給与は
事業年度を通じて定額でなければ、変動部分が税務上、会社経費に
なりません。
しかしながら、ビジネスによっては突発的に利益が上がることもあり、
その場合はなかなか計画的な節税策を講じることも出来ず多額の
法人税を支払うことになるケースもあります。
そこで、法人のオーナー社長等が個人でLLPの組合員になり、突発
的な利益が生じるビジネスを新設したLLPが請負い、その利益の
大部分をLLPの収益とできたなら、LLPの組合員たるオーナー社長
個人に直接利益が分配され、法人税課税が免れることができるので
はという、ご相談案件がありました。
その法人からLLPが業務委託費や成功報酬等の名目で収益を吸い
上げるスキームは非常に危険だと思われます。
①その業務自体、LLPが主体として行ったと言える実態が伴うか?
②利益の大半をLLPが享受するに十分な妥当性があるのか?
③LLPは組合員の集合体と考えると、全部ではないにしろ、オーナ
ー社長個人が、自分が支配する会社から業務委託を受けて個人
事業収入を計上していることと同等とみなされ、その社長は、業務
委託費名目で役員給与を得ていると課税当局に判断される可能性も高いと思われます。その場合は、役員賞与扱いで税務上経費となり
ません。
では可能性はないかというと、ビジネスの内容にもよりますが、その
法人から完全に切り離し、LLPが突発的な利益が生じる可能性が
あるサービスに関して、取引先と直接契約を交わすことができるの
であれば、LLPにて獲得した利益をオーナー社長個人に分配した
としても、税務上のリスクはそれほど高くないと思われます。
いずれにしましても、LLPをビジネススキームに取り込むためには、
十分な税務上のリスクを検討した上で、実施して頂きたいと思います。
ではまた!