日本版LLP(有限責任事業組合)を選択すべきか?!(7日目)

こんばんは、昨日から細かい税金計算が続きますが、お付き合い下さい~ 今日は昨日の個人Aさんと給与所得金額が異なるだけの違いですので、軽く読み流してください。

(2)有限会社(資本金400万円で設立)
②個人Bさん

給与所得: 600万円(他社からの給与はないが、月額50万円を役員報酬としてもらう)
配当所得:1367万円(実際は源泉徴収20%が天引きされているのですが、最終的に精算されるので、ここでは、源泉徴収ゼロで計算します。)

1.所得金額計算

給与所得 600万円―1,743,200円(給与所得控除)=4,256,800円
配当所得 1367万円 
合計   17,926,800円

2.所得控除

基礎控除  38万円
その他控除100万円(社会保険料控除など)
合計   138万円

3.課税所得金額

17,926,800円―138万円=16,546,000円(千円未満切捨)

4.所得税計算

①税額算出 16,546,000円X30%―123万円=3,733,800円
②配当控除 (1000万円―4,256,800円)X10%+(17,926,800円-1000万円)X5%=970,660円
③ ①―② = 2,763,140円
④定率減税 2,763,140円X10%>125,000円 ∴125,000円
⑤ ③―④ = 2,638,100円(百円未満切捨)

5.住民税計算

①税額算出 16,596,000円X13%―31万円=1,847,480円
(基礎控除が33万円となり所得税計算より5万円課税所得が増加)
②配当控除 (1000万円―4,256,800円)X2.8%+(17,926,800円-1000万円)X1.4%=271,784円
③ ①―② = 1,575,696円
④定率減税 1,575,696円X7.5%>20,000円 ∴20,000円
⑤ ③―④+4,000円(均等割)=1,559,600円(百円未満切捨) 

6.合計税負担額

2,638,100円+1,559,600円=4,197,700円

7.比較対象税額計算(配当所得がなかったと仮定した場合)

①所得税 258,800円(算式省略)
②住民税 182,100円(算式省略) ※均等割4000円
③合計税負担 ①+②=440,900円

8.増加税負担額

4,197,700円(給与所得と配当所得の税額)―440,900円(給与所得のみの税額)=3,756,800円

9.結論

Bさんの場合、利益1億円に対して2500万円(25%)あった自分の取り分の内、最終的に手元に残ったのは、

13,670,000円(配当所得金額)―3,756,800円(配当所得に対する所得税)=9,913,200円 ということになります。

2500万円に対する実効税率を計算すると、実効税率なんと60.3%となってしまいます。

明日は有限会社を選択した場合の法人株主の税金についてです。ではでは~