有限責任という名の虚実

今日はLLP(有限責任事業組合)の有限責任について、斜め(ナナメ)?!から見てみたいと思います。
(今日はマイナス思考。。。)

そろそろ色々な媒体で、LLPの紹介を目にするようになってきました。そして当然ながら、LLPの利点の一つとして、有限責任が謳われています。LLPの出資者(構成員)は、

「出資額までしか責任を負わない」

これすなわち有限責任だということです。ではこの有限責任はどこまでも通用するのでしょうか?

例えば、銀行借入れやリース契約を締結する場合、LLPを契約当事者とすることができることは間違いありませんが、銀行やファイナンス会社は恐らく、LLPの出資者(構成員)の少なくとも1人以上の連帯保証を求めてくるのではないでしょうか?言ってみれば、現状の株式会社や有限会社と同じような基準で連帯保証により無限責任を背負うことが予測されます。

また、LLP法第18条によると、

「組合員等が自己の職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該組合員等は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。」

と定められており、当たり前のことですが、構成員の1人がわざと多額の商品を仕入れ、横流しした上で、商品代金を踏み倒し、LLPを潰したとしても、その首謀者個人は賠償責任を負うこととなります。

これらの話は、結局、株式会社・有限会社と同じということです。任意組合(組合員は無限責任)のような特殊な組織を基点に見ると、有限責任は目だって利点と写るかもしれませんが、一般的な経営者、起業家から見ると、有限責任とはLLPの大きなメリットの1つというよりも、

”普通の会社と一緒”

と言った方が、ピンとくるように思います。 ではでは♪