こんばんは、
こんばんは、
交際費は法人税法上、原則損金となりませんが、資本金の額が1億円以下の法人については、支出した交際費等の額のうち、400万円までの金額の10%相当額と400万円を超える部分の金額との合計額を損金の額に算入しないこととされています。
(注意:2019年10月現在、年間800万円超又は接待飲食費の1/2を超える金額が損金不算入となります)
交際費は法人税法上、原則損金となりませんが、資本金の額が1億円以下の法人については、支出した交際費等の額のうち、400万円までの金額の10%相当額と400万円を超える部分の金額との合計額を損金の額に算入しないこととされています。
では、LLPの場合はどうなるのでしょうか?損益分配の際、総額法や折衷法で取り込む場合は、各法人組合員の交際費の金額に合算して、税務処理を行いますので、特に気にすることもありませんが、純額法の場合は、ちょっと厄介です。
純額法とは、分配される損益○○○円に対して、
借方) LLP組合出資金(B/S) ○○○円
貸方) LLP分配損益金(P/L) ○○○円
とだけ表現されますので、その中に交際費がいくら含まれているのか、仕訳からは判読できません。仕訳から判読できないということは総勘定元帳や損益計算書上でも分からないこととなります。
そこで、法人組合員が純額法を採用する場合の交際費の取り扱いについて、以下の処理を行うこととなります。
【例 題】
<交際費等の損金不算入額計算>
期末純資産額 20,000,000円
当期損益 -2,000,000円(損失)
当期の月数 12ヶ月
当期交際費の額 6,000,000円
損益分配割合 50% (法人組合員2社のみ)
① 期末資本金の判定
(期末純資産合計20,000,000円 + 当期損失2,000,000円) × 60% = 13,200,000円 ≦ 1億円
∴定額控除限度額計算有り
② 定額控除限度額の計算
400万円 × 12ヶ月(事業年度に月数)÷12ヶ月 = 4,000,000円
③ 損金算入限度額
支出交際費等の額(6,000,000円)又は②のいずれか少ない金額 × 90% = 3,600,000円
④ 組合全体での損金不算入額
6,000,000円(交際費等の額) – 3,600,000円 = 2,400,000円
⑤ 各組合員へ分配される損金不算入額
2,400,000円×50%=1,200,000円 別表九(四)20欄①へ転記
関連する条文等は下記を参照して下さい。
ではまた。
法人税 基本通達14-1-2
(任意組合から分配を受ける利益等の額の計算)
法人が、帰属損益額を14-1-1及び14-1-1の2により各事業年度の益金の額又は損金の額に算入する場合には、次の(1)の方法により計算する。ただし、法人が次の(2)又は(3)の方法により継続して各事業年度の益金の額又は損金の額に算入する金額を計算しているときは、多額の減価償却費の前倒し計上などの課税上弊害がない限り、これを認める。
(1)当該組合事業の収入金額、支出金額、資産、負債等をその分配割合に応じて各組合員のこれらの金額として計算する方法
(2)当該組合事業の収入金額、その収入金額に係る原価の額及び費用の額並びに損失の額をその分配割合に応じて各組合員のこれらの金額として計算する方法
この方法による場合には、各組合員は、当該組合事業の取引等について受取配当等の益金不算入、所得税額の控除等の規定の適用はあるが、引当金の繰入れ、準備金の積立て等の規定の適用はない。
(3)当該組合事業について計算される利益の額又は損失の額をその分配割合に応じて各組合員に分配又は負担させることとする方法
この方法による場合には、各組合員は、当該組合事業の取引等について、受取配当等の益金不算入、所得税額の控除、引当金の繰入れ、準備金の積立て等の規定の適用はない。
(注)
1 ~ 4 省略
5 (3)の方法による場合において、当該組合事業の支出金額のうちに寄附金又は交際費の額があるときは、当該組合事業を資本又は出資を有しない法人とみなして法第37条《寄付金の損金不算入》又は措置法第61条の4《交際費等の損金不算入》の規定を適用するものとしたときに計算される利益の額又は損失の額を基として各事業年度の益金の額又は損金の額に算入する金額の計算を行うものとする。
租税特別措置法 第61条の4
(交際費等の損金不算入)
法人が平成18年4月1日から平成22年3月31日までの間に開始する各事業年度(清算中の各事業年度を除く。)
において支出する交際費等の額(当該事業年度終了の日における資本金の額又は出資金の額(資本又は出資を有しない法人その他政令で定める法人にあつては、政令で定める金額)が1億円以下である法人については、当該交際費等の額のうち次に掲げる金額の合計額)は、当該事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入しない。
1.当該交際費等の額のうち400万円に当該事業年度の月数を乗じてこれを12で除して計算した金額(次号において「定額控除限度額」という。)に達するまでの金額の100分の10に相当する金額
2.当該交際費等の額が定額控除限度額を超える場合におけるその超える部分の金額
2前項の月数は、暦に従つて計算し、1月に満たない端数を生じたときは、1月とする。
租税特別措置法施行令 第37条の4
(資本金の額又は出資金の額に準ずるものの範囲等)
法第六十一条の四第一項 に規定する政令で定める法人は、法人税法第二条第六号 に規定する公益法人等(以下この条において「公益法人等」という。)、人格のない社団等及び外国法人とし、同項 に規定する政令で定める金額は、次の各号に掲げる法人の区分に応じ、当該各号に定める金額とする。
一 資本又は出資を有しない法人(第三号から第五号までに掲げるものを除く。) 当該事業年度終了の日における貸借対照表(確定した決算に基づくものに限る。以下この条において同じ。)に計上されている総資産の帳簿価額から当該貸借対照表に計上されている総負債の帳簿価額を控除した金額(当該貸借対照表に、当該事業年度に係る利益の額が計上されているときは、その額を控除した金額とし、当該事業年度に係る欠損金の額が計上されているときは、その額を加算した金額とする。)の百分の六十に相当する金額