日本版LLP(有限責任事業組合)の鼓動?

こんばんは、もう少しアップする頻度を上げたいのですが...2006年に入って少し風向きが変わってきました。着実にビジネスを行っている方々の中で、LLPへの注目度が上がってきています。

また、SPCや匿名組合のようなものと異なり、金融・不動産以外の業種を営む事業者の方から偏りなくお問い合わせを頂いております。
昨年半年を費やし、色々と検証、考察を行ってきましたが、今一度どのようなビジネスに向いているのかまとめたいと思います。

1.当たり前ですが、プロフィットシェア(利益共有)を目的とする共同事業に向いています。

共同事業の本質は、プロフィットシェア(利益共有)です。対等に近い関係(同志であったり、相互補完であったり)の個人及び法人が同じ目的のもと、共同で事業を営む場合に適しています。

どう考えても、ビジネス上、金銭上の主導権を誰かが持ち、他の賛同者と共同事業を行うような場合は、LLPではなく法人組織又は個人事業として事業を行う方が向いています。


2.節税スキームとしての利用は考えない

出資額(正確には調整出資金)以上の損失は、法人個人を問わず取り込むことができませんので、節税スキームに利用できないか?と考えるのは、時間の無駄のように思います。


3.業種は不問

LLP法にて一定の業種(サムライ業や博打)は認められませんが、それ以外はどんな業種でも利用の可能性があると思います。

創造性豊に、LLPを利用したビジネススキームを考えてみてはいかがでしょうか?

但し、不動産事業において簿価の安い土地なんかをLLPに放り込むと、キャピタルゲインタックス(譲渡益課税)が生じてしまうので、うまく機能しない場合も考えられます。


4.構成員課税(パススルー)は偉大...

一部の金融ビジネスなどでしか、認知されていなかった”構成員課税”というものが、一般化していくということは”無限の可能性”を秘めていると思います。

既存のビジネスモデルとは、会社を作り雇用し、社外協力企業(下請け等)とは業務委託契約等によりつながる形でしたが、LLPを使ったビジネスモデルでは、会社と個人や社外協力企業が対等のパートナーとなり得るのです。

ではなぜ、LLPだとパートナーになり得るのかというと、構成員課税が可能だからです。今までもビジネス上、共同事業を行い利益を共有しようという話は星の数?ほどあったと思います。しかし税務リスクの観点から、売上の一定割合を支払ったり、業務委託契約により基本的に一定金額を支払うカタチに収まるケースがほとんどではないでしょうか?(共同事業体や製作委員会という名称で任意組合方式とすれば、可能ですが...)
LLPの場合、売上から諸経費を控除した残額(利益)をシェア(共有)できることが、偉い?!のです。

雇用や業務委託の場合は、主導権を握る会社としては、経費が固定化されその負担リスクを抱えることとなります。しかし利益共有であれば、儲かったときだけ支払えばよいということになり、事業リスクの軽減を図ることが可能となります。また一方、個人や社外協力企業としても自分たちの貢献に応じたリターンを得られるというのも、モチベーション高く事業に取り組むことができるのではないでしょうか?(収入安定化には逆行ですが。。)

そんなこんなで、是非LLPにまずは興味を持ってみてはいかがでしょうか?
そして創造力豊かに新しいビジネスモデルを考えてみてはいかがでしょうか?

楽しいですよ~♪